フォニックスとは何か

フォニックスという言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。「英語圏ではスタンダードな読み書きの指導法」とか「フォニックスを知っていれば英単語の75%が読める」などと紹介されることが多く、最近では子ども向け英語レッスンの必須メニューになっている感もあります。

けれども、フォニックスはちょっと過大評価されているというのが私たちの考えです。少なくとも、フォニックスを学ぶことによって英語力が飛躍的に伸びるようなことはありません。知っていれば英語を学んでいく上で少し便利、という程度のものです。ですから、フォニックスの知識を学ぶのに、お金や時間をあまりかけるのはもったいないと思います。英語習得のためには、基本英文の暗唱や音読、外国人との実践的なマンツーマン英会話など、他に優先すべきことがたくさんあるからです。

まず、フォニックスとは「英単語のスペルと発音の関係」について学ぶ分野です。そのスペルがどんな発音になるのか、またその発音がどんなスペルになるのかを学ぶのがフォニックスです。

お分かりになると思いますが、フォニックスを学ぶことによって、聞いた英語の意味が分かるようになったり、言いたいことが英語で言えるようになったりすることはありません。あくまでも、英単語の「読み・書き」に関する基本的なルールを学ぶにすぎないのです。

さらに、発音に関係する分野ではありますが、どう発音すればいいのかを理解することと、その発音を自分の口で実際にできることとは別です。ですから「フォニックスを学べば発音がよくなる」とは言い切れません。実際にフォニックスを学んだ子どもたちの発音が上手かと言えば、反対に「ものすごくカタカナ的」というケースもたくさん見かけます。

さて、フォニックスの知識を身につければ、「初めて目にする英単語をどう発音すればいいのか推測できるようになる」、また「発音を聞いてその英単語のスペルを推測できるようになる」と言われています。これはある程度は事実です。たとえば、bag, make, clock, whichなどの単語を、それぞれ「バッグ」、「メイク」、「クロック」、「ウィッチ」と発音することが分かるようになり、そのスペルも覚えやすくなります。(便宜上カタカナを用います)

こう聞くと「英語学習が楽になりそうだ!」と思われる方もおられるでしょう。ただし、それほど万能なわけではありません。英単語の読み方には例外も多く、しかもその例外が基本単語にかなり含まれているからです。

たとえば、nameやlikeは「ナメ」「リケ」と読むのではなく、「ネイム」「ライク」と読むというルールをフォニックスでは学びます。そうすると、haveも「ヘイヴ」と読むことになりそうですが、実際には例外的に「ハヴ」と読みます。liveも「住んでいる」という意味で使う場合には、「ライヴ」ではなく「リヴ」と読みますが、これも例外です。さらに、one, two, we, me, of, whatなどの基本単語は、フォニックス的には例外だったり、わざわざ細かな規則を作って無理やり説明することになってしまうので、そのまま「ワン」、「トゥー」、「ウィー」、「ミー」、「オヴ」、「ワット」と読む練習をした方が早いのです。

つまり、フォニックスは英単語の読み書きを効率的に覚えるための一つの方法にすぎません。ルール通りの英単語についてはフォニックスの知識が有効ですが、ルールが当てはまらない英単語については結局そのまま丸覚えするしかないのです。ですから、私たち英会話サイモンズはフォニックス学習について、「役に立つ部分だけを、最短で学ぶのがよい」と考えています。

フォニックスをどんな順序で学ぶのがよいのか、あるいはどんな点に気をつけて学ぶべきなのかについては、また改めて書きたいと思います。