基本英文の暗唱について

何度も書いていることですが、多くの専門家や先人も言っている通り、英語を話せるようになるためのポイントは次の二つです。

1.たくさん声に出して練習する。
2.外国人と一対一で英語を話す。

1の「たくさん声に出して練習する」についてはいくつかの方法があるのですが、今回はその中の「基本英文の暗唱」について書こうと思います。

この基本英文の暗唱は、最近では英語を話せるようになるために不可欠なトレーニングとして広く知られています。「短文暗唱」とか「瞬間英作」とか言われることが多いようですが、書店の英語コーナーにはこの種の本が無数に並んでおり、ネット上にもいろいろな解説や体験談、書籍のレビューが書かれています。日本国内で外国語として英語を学ぶ時の方法としては、もはや常識と言ってよいでしょう。

学習の進め方など詳しいことは、たとえば瞬間英作文シリーズの著者である森沢洋介氏のウェブサイトをご覧いただくのがいいかと思います。

さて、基本英文の暗唱が大切であることは、「ごく単純な英文がサッ言えないのに、英語をスムーズに話すなんて無理。」という当たり前の理屈を考えてみれば分かりそうなものです。けれども、です。学生時代には定期テストや入試などのペーパーテストに追われて勉強せざるを得ないという現実があります。また、世の中には「聞き流すだけで英語がペラペラになる」などという、ウソなんですが、甘い幻想を抱かせる宣伝文句も数多くあります。語学の習得に本来何が必要なのかという点になかなか目が向きません。

その結果、英語を学ぶ学生時代に、基本英文の暗唱に実際に取り組み、ある程度の量をこなした人は、そう多くないと思います。私(片岡)自身も、基本英文の暗唱を始めたのは30歳くらいの時、子ども向けの英会話教室の仕事にかかわるようになってからです。

私はそれ以前は学習塾に勤務していて、中高生に国語と英語を教えていました。ただし、英語については自分も学んできた「使えない英語」をただ継承させるだけのような気がして、成績UPという成果を出してはいましたが、あまり気が進みませんでした。ですから、その後に転職して、外国人講師による子ども向けの英会話レッスンというものを初めて見たときには、「ああ、こうやって楽しく自然に英語が身につけば理想的だなあ」と新鮮な感動を覚えました。

ところが、1年、2年と様子を見ていても、自然に話せるような気配はまったくありません。それどころか、習ったはずの簡単な基本英文も全然身についていない有様です。だからと言って、学習塾でやるような教え方に切り替えれば、「使えない英語」をまた教えることになります。あれこれ調べたり、自分で取り組んでみたりして、基本英文の暗唱というトレーニングがあることを知りました。基本英文の徹底については塾講師時代にも一番力を入れていて、問題集をいろいろとやり散らすよりも、基本英文を確実に覚える方が成績アップも早いという考えを持っていましたので、それらをサッと言えるまで練習しなければならないというアイデアの良さはよく分かりました。

以来、私たちはもう15年くらい、外国人講師が担当するレッスンでありながら、「自然に身につく」などという根拠のないことを方針とせずに、「基本英文をサッと言えるように練習する」ことをレッスンの一つの柱にしてきました。ちなみに、サイモンズを開いたのは、さらにその上のステップ、つまり「基本英文を身につけると同時に、実際にそれを使って外国人と話す機会を与える必要がある」という考えによるのですが、これからも基本英文の暗唱が重要な柱であることは変わりがありません。

先ほども書きましたが、基本英文の暗唱は英語習得に欠かせないものなのに、小中高生の間に取り組む機会はほとんどありません。私自身もそうでしたし、上に名前を挙げさせていただいた森沢洋介氏自身もそうみたいです。ネット上を見ても、基本英文の暗唱に取り組んでいる人の多くは、大人になって英語を学び直している人たちです。

文科省の英語教育改革によれば、今の小中高生には私たちの世代を軽く超える英語力が期待されています。ただし、それを達成するために示されている方策は、小学校から英語を教科化するとか、英語の授業は英語だけを使って進めるようにするとか、大学入試でスピーキングの試験を課すとか、そういうことばかりです。悪いアイデアではないと思いますが、学習者である子どもたちが具体的にどうやって英語を学べばよいかという提言があってもいいんじゃないかと思います。

そして、具体的な方法の一つは、間違いなく「基本英文の暗唱」でしょう。私たち英会話サイモンズには小中高生向けのノウハウがあります。長くなってきましたので、具体的なやり方や注意点について、いくつかの例を挙げながら、近いうちに書こうと思います。

お読みいただきありがとうございます。