概要
中学英語の文法も単語も分かっているのに、英語がサッと口から出てこない。その原因は、知識ではなく「音の処理のしかた」にあります。
本記事では、英語を話せる人がどうやって英語を口に出しているのか、どうすればそれができるようになるのかを、分かりやすくご説明します。
英単語や文法を知っているだけでは、スピードが出ない。
以下は、このビデオの生徒が練習している基本フレーズ10種(doを使って)の収録文から抜粋したものです。
- どうして今、宿題をやっているの?
- 私は何回それをしなければいけませんか?
- どんなふうにそれをやったの?
- 私はそれをやりたくなかった。
- 私は何か他のことをするつもりです。
- ぼくはもう宿題を済ませました。
- 君ならできるよ。
- 私は毎朝それをするわけではありません。
現在完了を使うものを除けば、全て中2前半までの文法でカバーできる内容です。難しい英単語も出てきません。
ただし、中学文法を理解していても、これらをサッと英語で言うのはそれほど簡単ではありません。考えながら一単語ずつ足していくような言い方になる人も多いでしょう。
たとえば、「どうして今、宿題をやっているの?」を、「まず、どうして=why を先頭において、進行形の文だからbe動詞を前に出して are、その次に主語の you が来て、えっと、宿題をするは、do を使うけど、ing 形にしないといけないな、で、your homework、最後に now 、で完成かな 」という具合に、英文法のルールに従って、一単語ずつ組み立てていくような言い方です。
文法の理解は完璧です。でも、こうやって考えながら英語を口に出していては、いかに高性能な頭脳を持っている人でも、実用的なスピードで英語を話すのは難しいでしょう。
このビデオの生徒は、英文を言うスピードが速い。
一方、このビデオの生徒は、そのような発話の仕方をしていません。
Why are you doing your homework now?(どうして今、宿題をやっているの?)も、How many times do I have to do it?(私は何回それをしなければいけませんか?)も、How did you do that?(どんなふうにそれをやったの?)も、文全体をひとかたまりの音声として覚えていて、ただそれを口で再生しているだけのように見えます。
「じゃあ、結局は丸覚えなの?」って思われる人もいるでしょう。
確かに、文全体を音声として丸ごと覚えている、という意味では丸覚えです。けれども、文法や意味が分からずに、ただ英文を覚えているわけではありません。理解を伴った、スピードアップのための丸覚えです。
この生徒は、たとえば、例文が「どうして〜していたの(過去形)?」になっていれば、be動詞を過去形にして Why were you…? とすべきことを理解できています。また、「あなたは何回〜ですか?」の場合は、I を you に変えて、How many times do you …? になることも分かっています。
スピードが速いことに加えて、意味や文法も理解できているわけです。どうすれば、これが可能になるのでしょう。
英語はチャンクで身につけることが大切。
実は、英語を話すとき、人は英文法のルールに従って、英単語を一つずつ組み立てているわけではありません。意味をかたまりで捉え、その意味に合う音声のかたまりをストックから探し、それらを組み合わせて話しているのです。
たとえば、How many times do I have to do it? という文は、意味のかたまりによって、たとえば次のように分けることができます。
How many times / do I have to / do it?
どれくらい多くの回数 / 私は〜しなければならないか / それをする
この意味のかたまりを、語学の分野でチャンク(chunk)と言ったりします。ご存知の方もおられるでしょう。
よく「英語はチャンクで学ぶことが大切!」と言われますが、要するに「英語は、単語単位ではなく、意味のかたまり単位で学ぶことが大切だ」ということです。
けれども、この説明だと、熟語やイディオムの学習とか、英文をスラッシュで区切る学習法など、従来からある勉強法と何が違うんだろう、という気もしますよね。「英文を区切るのは受験勉強でさんざんやったけど、英語が話せるようにはならなかったぞ」て思う人もいるでしょう。
実は、チャンクという概念は大切ですが、ただ英文を区切ればいいわけではありません。
ポイントは、ひとかたまりの音として記憶・再生できるようにすること。
肝心なのは音を覚えることです。チャンクを丸ごとひとかたまりの音として覚えることです。そうしないと、インプットにせよ、アウトプットにせよ、実用的なスピードで英語を処理することはできません。
おそらく、単語単位なら「数多くの = many」のようにサッと言える人は多いでしょう。ただし、「何回 = how many times」 をひとかたまりの音として瞬時に言える人は少し減ると思います。さらに、これが 「あと何回 = how many more times」だったとしたら、その音のかたまりを頭にストックしている人は、経験上かなり少なくなります。
また、「私は〜しなければならない = I have to」は言えても、その疑問形の「私は〜しなければならないのか = do I have to」になると、サッと言える人は減ります。けれども、I have to と同じように、does she have to も、they didn’t have to も、そういう連続する音のかたまりとしてスムーズに口に出すことができなければ、英語を話せるようにはなりません。
要するに、「明日=tomorrow」や、「興味深い=interesting」や「コミュニケーション=communication」など、1単語単位でやっている「意味から音への変換」を、「彼らは〜する必要がなかった = They didn’t have to」というような、もっと大きな単位で行う必要があるわけです。
Q: 具体的にどうすればいいの?
A: 英語チャレンジが最適です。
「そんな長いかたまりを音で丸覚えするって無理じゃないかな?」って思われる人もいるでしょう。分かります。
でも、たとえば、Do I have to や They didn’t have to は、ともに4音節という長さで、これは interesting という英単語と、音としては同じ長さなのです。だから、これらをサッと言えるようにすることは、それほど難しくはありません。むしろ、スペルや意味が似ている英単語を覚えるよりは、ずっと簡単だと思います。
そして考えてみれば、Happy birthday to you.や、What color do you like?や、See you next week. など、丸ごと音で覚えている英文も、いろいろあるはずです。
やるべきことは、とにかく英語を聞いて、それを声に出すことです。まずは発話の絶対量を増やすことです。
英語を口に出す練習にしっかり取り組んでいれば、幼稚園児や小学校低学年のうちに、4〜5音節くらいの長さの英語であれば、割と簡単にリピートできるようになります。そして、小学校高学年になると、すでに覚えたチャンクを組み合わせたりして、8〜10音節くらいの英語のリピート能力が身につきます。
その結果、Why are you doing your homework now?(9音節)や、How many times do I have to do it?(10音節)をうまくリピートできるようになり、そして何度か声に出しているうちに、チャンクの切れ目が消えて、文全体がひとかたまりの音声チャンクであるかのように、記憶や再生ができるようになるのです。
「サッと言えるようになるまで、何度も声に出して練習する」というのは、簡単ではありません。でも大丈夫です。英語チャレンジに取り組めば、英語をチャンク単位で、音声として覚える力が身につきます。
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