初学者向け基本英文500について補足

英会話サイモンズで子どもたちが取り組んでいる初学者向けの基本英文500を、以下のページで少しずつ公開しています。

小学生用の基本英文

この初学者向けの基本英文500について、ちょっと書いておこうと思います。チラシver.18にて「どのくらいで英語が話せるようになりますか」というご質問について書きましたが、その補足でもあります。

まず、初学者向けの基本英文500は英語を初めて学ぶ小学生を想定して作っていますが、学習経験のある小学生、あるいは中高生にとっても、これらの英文をサッと言えるようにすることが英語を話せるようになる第一歩だ思います。

およそ中2前半までに習う内容なのですが、英語を5年くらい習っていても、英検3級に合格していても、英語の成績が良くても、これらの英文をサッと言うことは簡単ではありません。文科省による高3生の英語力調査でも明らかになったように、平均的な高3生はこのレベルの英語がなかなか言えないのです。

けれども悲観することはありません。言えない原因は単純に「サッと言えるようにする練習」をやっていないからです。根気よく練習すれば小学生の初心者でも基本的な英文をサッと言えるようになります。

さらに、サッと言えるようになった基本英文を外国人との会話の中で実際に使ってみること、つまり「練習する→話す→練習する→話す」というサイクルを作ることによって、少しずつですが着実に英語が話せるようになります。私たち英会話サイモンズが他にはない「マンツーマン英会話&個別指導」というシステムを採用しているのは、このサイクルなしには英語が話せるようにはならないと長年の指導経験から学んだからです。

さて、レッスンでは12の基本英文を1セットにして取り組んでおり、おもて面に日本語と英語、うら面に日本語だけが書かれたプリントを使っています。日本語だけを見て12の英文を60秒以内に言えたら合格、というルールです。

ウェブサイトでは同じカテゴリーのプリント3枚(36文)程度を一つにまとめ、オンライン型暗記システムであるQuizlet上で学べるようにしてあります。出題順をシャッフルできる点などが紙ベースの学習にはないメリットです。コンピュータによる合成音声ですが、英語や日本語の読み上げ機能もあります。Quizletのサイトを利用すれば紙の暗記カードのような体裁で印刷することもできます。

「基本的な英文をサッと口に出せるようにする」というのは、短文暗唱あるいは瞬間英作文と呼ばれる学習法です。「聞き流すだけで…」などというインチキ教材とは違って、真剣に英語を学ぶ多くの人が取り組んでいる効果の高い方法です。「簡単な英文をサッと組み立てる力がないのに、英語が話せるなんてあり得ない」という、考えてみれば当たり前の理屈を実践するものだと言えます。

書店にはこの短文暗唱用の本がたくさん並んでいます。ただ、大人向けに定評がある本でも、小学生の初心者には単語が難しかったり、実使用をイメージできない例文が多かったりします。そこで、私たちは以下の2つの基準で英文を考えながら、初学者向けの基本英文500を自作しています。

(1) 小学生が英文法の基礎を身につけられること。
(2) 小学生が外国人と楽しく話すために必要であること。

(1)は少し専門的な話になりますが、パターンプラクティス的な発想を取り入れているという意味です。例えば、肯定文・否定文・YesNo疑問文・疑問詞疑問文を一連のセットとして練習したり、あるいは現在形・過去形を比較しながら練習できるようになっています。したがって、I don’t get up at 6:00.(わたしは6時には起きません)のように、実際に言うことはあまりないと思われる英文も、英文法の理解を促すために少し入れてあります。英語の仕組みを理解していれば、丸覚えした基本英文を使って話すだけでなく、自分の言いたいことに合わせて基本英文をアレンジすることができるからです。

(2)は英会話サイモンズの特色を表しているとも言えます。「子どもたちに英語を学ばせるだけでなく、英語を使って楽しく話せる機会も用意するべきだ」というのが英会話サイモンズの理念です。私たちは、拙い英語であっても自分の言いたいことを何とか自力で伝えることができ、それで相手が笑ってくれたり共感してくれたりした時にこそ英会話の楽しさを実感できると考えています。ですから、過去形や未来形は楽しい英会話を成り立たせるために不可欠なので早い段階で導入しますし、反対に道案内や買い物などの場面英会話や、「痛い!」「おいしい!」などの一言フレーズは重視していません。

チラシver.16にも書いたように、まずは「自分自身や身近な出来事について」簡単な英語で話せる力を身につけるべきです。これが最も話す機会があるテーマであり、そしてコミュニケーションの楽しさを実感できるテーマだからです。この点で外国人と英語で楽しく話せるようになれば、英語を話すことが億劫ではなくなり、どんどん経験を積んでどんどん力を伸ばすことができるでしょう。私たちはどうすれば子どもたちが最短でこのレベルに到達できるかを日々考えています。初学者向けの基本英文500もその一環です。

現段階では、小学生の初心者でも早ければ2~3年でこの基本英文500をマスターできるという感触を得ています。マスターするというのは、500文からランダム順に問われてもサッと言える状態になることを指します。そうすれば、自力で英語を話すことが少しずつできるようになるでしょう。

この初学者用の基本英文のあと、中学英語をきちんとマスターするために約 600 英文くらい、さらに高校英語のうち会話に役立つ表現をマスターするために約 600 英文くらいが必要だと考えています。これらの英文について「練習する→話す→練習する→話す」を繰り返せば、英語が流暢に話せるというレベルではないにせよ、たとえば海外に行っても何とかやっていけるだけの英語力、「英語が話せる」といっても差し支えない英語力に到達するのではないかと考えています。

私たちは、「国際人を育てる」とか「グローバル社会を生き抜く力を養う」とかいう検証できない目標を掲げることはしていません。また、ニーズがあるからといって英検や入試などのペーパーテスト対策に堕することは日本の英語教育のためにならないと考えています。このような方針で英語教室を運営できるのも、子どもたちや保護者の皆さまのおかげです。日ごろのご理解とご協力に改めて感謝する次第です。